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永久気管瘻形成術

上部気道閉塞の解決に用いられる呼吸器外科術式。作成された気管開口部は長期間維持することが可能である。

 

≪適応≫

咽喉頭や頸部等に発生した腫瘍等による気道閉塞

定法に従い麻酔気道確保を実施した上、患者を仰向けにし、頸部に枕を置き、頸部を伸展させる。そして手術予定部に対し、剃毛消毒を実施する。

メスを用い、皮膚を8気管軟骨分程の長さで正中切開し、露出した胸骨舌骨筋を鈍性剥離し気管支を露出させる。

頸部気管支周辺組織を気管支と分離する。この時、後甲状腺動脈の気管枝を電気メスにて止血し切断する。直下に走行する反回神経や後甲状腺動脈、迷走交感神経幹、総頸動脈に細心の注意を払う。

気管の分離が終了したら犬の場合、左右に分離した胸骨舌骨筋を気管の背側面に縫合し、筋肉スリングを作成する。猫では左右胸骨舌骨筋を気管側面に縫合するので十分である。

そして気管瘻形成を実施する。第2~第6もしくは第7気管軟骨を気管粘膜を残した状態で剥離していく。これにより気管粘膜フラップを形成する。

温存した気管粘膜と皮膚を気管瘻の四方で単純結節縫合し、その後全体に連続縫合を施す。その際、皮下組織と気管表面に皮内縫合すると皮膚断端と気管粘膜断端が近付けるため、縫合が容易になる。

≪術後≫

①作成した気管瘻から十分な呼吸が得られているかSPO₂を計測する。

②開口部付近にワセリンを塗布し、保湿する(気管粘膜には入らない様に)

③開口部周囲の皮膚を1%以下希釈クロルヘキシジン溶液にて定期的に消毒する。

④術後一週間抗生物質投を実施する。

⑤必要に応じ気管内径1/3程のチューブで気管内吸引を実施する(多くは必要ない。)

⑥室内湿度を50%以上で維持する

⑦加湿出来ない場合、気管内に0.1ml/kgの滅菌生理食塩水を投与する方法もある。

⑧術後、気管瘻周辺の皮膚にたるみが生じないか定期的な確認を行う。