舌に形成された骨性エプリス

3歳ボルゾイ。舌に腫瘍が出来たと来院。バイオプシーの結果、エプリスである事がわかり、オーナーと相談の結果、QOLを考慮して手術を希望されたため、なるべく術創が目立たない舌整形を行った。

手術後の写真。今では散歩仲間から手術したのって聞かれるくらいきれいになっているようである


下顎犬歯に出来たエプリス

食欲不振で来院されたミックス9歳。診断の結果、下顎犬歯部の歯肉にエプリスが形成されており、生活の質に影響を与えていたため外科手術した。

術後写真。犬歯は完全に機能していないため犬歯付け根の組織から完全に剥離切除した。


FCI(猫カリシウイルス感染症)

日本猫2か月。野外猫を一か月前に保護したが先日から食欲不振で来院。口腔内チェックしたところ舌に潰瘍病変がみられたため、カリシウイルス感染も疑いPCR遺伝子検査を実施した。輸液および抗生物質、栄養点滴、インターフェロンβ治療を実施した。

3歳アメリカンショートヘア。新しい猫と同居を始めてから流延、食欲不振が始まり他院にて抗生物質療法をうけるも改善なく来院。

口腔内舌部に潰瘍性病変が確認されPCR検査にてカリシウイルスが検出された。上記治療にて症状は治療開始から改善され、6週間治療の末、舌病変は消失した。


舌に形成された顆粒細胞腫

8歳ミニチュアダックス♂。健康診断で来院された際、舌に出来た腫瘍を指摘した。一か月後、腫瘍部からの出血がみられたため、QOLを重視して外科手術を行った。

腫瘍は舌の両側面および先端に形成されていた。切除後の写真

舌は血管豊富な器官であるため、術後の血腫は最も注意をはらうべきである。また舌は機能性部位が多く存在するため術後の機能障害を起こさないテクニックが要される。そのため、舌の外科において最も注意すべき点はパーフェクトな止血手技、可能な限りの機能性部位の温存である。写真は止血をピーポイントで行っているところである

舌の縫合は舌の粘膜層から筋肉層および舌腹側粘膜層と3層を縫合する。使用する縫合糸は吸収性モノフィラメント(180日以上もち、張度が落ちないもの)が望ましい。

舌の左右両側面および舌尖に形成された腫瘍をすべて摘出し、完全な機能温存を図った切除を実施した。写真は術後。術後食事も問題なく食べられ、いつもと変わりない生活を取り戻した。


歯周病因性皮膚欠損

犬で稀に上顎臼歯の歯石により頬(ちょうど口角の尾側あたり)の皮膚が欠損する事がある。
この場合はまず、抜歯または歯石のケアをしてから欠損を起こした皮膚をデブリードメントしてから縫合する必要がある。

下顎に生じたメラノーマ(悪性黒色腫)

右下顎犬歯付近の歯肉に生じた腫瘤を主訴に13歳犬が来院。即日細胞診を実施し、メラノーマだったため、リンパ節や下顎管や肺のチェックのためにCTを実施。リンパの腫れが見られたため、下顎切除術とリンパ郭清を実施。