薬物誤飲

~処置~

胃洗浄法

 

(適応)

 ①大量の毒物摂取

 ②少量ではあるが毒性の強い薬物

 ③接種後1時間以内である

 

(方法)

 ①短時間麻酔で導入後、気管挿管&ECG

 ②胃内へ2本のチューブを挿入

  a:太いチューブ(サイドホールあり)→回収用

  b:細いチューブ→注入用

 ③グローブ装着し、温めた温水or生理食塩水5~10ml/kgをゆっくり注入

 ④換気扇をオンにして排液開始(バケツ等)

 ⑤体位変換後③→④を同様に行い、排液が透明になるまで行う。

 ⑥排液チューブ抜管

 ⑦注入用から活性炭と下剤投与し、注入用も抜管

 ⑧麻酔から覚醒を確認し、誤嚥に注意しながら気管チューブを抜く

  ※④は胃酸と反応し毒ガスを出すアジカナトリウム、硫酸塩etc対策の換気扇

   ③は毒物排液から処置者の手を保護するため

   ①は胃洗浄刺激による生体反応(徐脈、不整脈、低血圧)のモニターのため

(禁忌&注意事項)

 ①麻酔をかけられない程、全身状態の悪いクランケ

 ②接種後、数時間経過しているもの

 ③強酸・強アルカリ等の腐食性毒物→チューブ入れると穿孔する

 ④石油系、有機溶媒→化学性肺炎のリスク

 ⑤低体温&電解質異常→還流液の温度と濃度に注意

 

 ※薬用炭で吸着できないもの

  ・強酸性、強アルカリ性、中性洗剤

  ・エタノール、メタノール

  ・エチレングリコール、パラコート

  ・鉄、硫酸鉄、リチウム、ヒ素、シアン化合物

  ・カリウム、ヨウ素

  ・ホウ酸、フッ化物、臭化物