LDH4isozyme欠損症

ミニチュアピンシェル9歳♀。以前から当院かかりつけであり、AIHA(自己免疫性溶血性貧血(抗核抗体陽性))罹患歴あり。ここ三年間てんかんを起しており、年間3~4回は薬物療法でもテンカンが止まらないSE(てんかん重積)を起し、年平均2~3回は入院しているようであった。

私が当院に赴任したときに当院獣医師より治療薬選択を依頼された。その後詳細検査させていただいた結果、乳酸/ピルビン酸代謝に異常をきたしており、LDH4isozyme欠損症であることが分かった。その他、免疫泳動でM蛋白血症であることがわかった。さらに追加検査によりM蛋白血症はIgMによるものであることが判明し、尿中蛋白分画からB蛋白は確認されず、リンパ球表面PCRでも異常増殖をみせる白血球が確認できないことから、特発性M蛋白血症であると診断した。また発作様式はFrontal lobe型であるもののときおりTLE(側頭葉型発作)も呈している。てんかん発作によるものと思われるクリューバービューシー症候群も併発していた。 現在多剤AEDs療法によって発作は完全に起さなくなっている。ピルビン酸代謝に対しては特異的な酵素補充療法がないため、食事療法によって定期的に欠損因子とそれによる代謝産物の確認を行っている。